褒め方と叱り方

生徒と接するときに気をつけていることの一つに褒め方と叱り方があります。
これらは書籍で様々な方法が紹介されていますが、共通した注意すべきことはやり方を間違えると逆効果になりかねないということです。

簡潔にまとめると結果だけで褒めても叱っても良くないということです。
おざなりな褒め方叱り方だと自分のことをよく見てくれていないという不信感になり、人格を褒めたり叱ったりすると本人のプレッシャーになりかねないのです。

そのため、褒めるにしても叱るにしても「過程」に注目して、褒めることや叱ることの「理由」を明確にすると良いらしいです。

最近あった具体的な話だと宿題をやれない小学生に対して以下のように指導しました。

「宿題はやらなければならないもの」と叱るのではなく、「大人になると提出期限を守らないといけない場面が多くなって、それを守れるかどうかがその人の信頼に関係してくると思うんだよね。宿題はその練習の一つだと思うんだ。だから、○○には信頼されるような人になってほしいから宿題をやってほしいんだ。」とこのような趣旨で言いました。
そのうえで「どうして宿題が終わらなかったの?」と自由に応えられるように質問しました。すると「家だとゲームがやりたくなって、宿題をやれないです。」と応えてくれました。

家だと集中して勉強できなくても塾では集中してできると言うので、
「○○と似た悩みを抱えた子が授業後に残って自習室で宿題をやるようになったら、宿題を提出できるようになったんだ。〇〇も授業後に宿題をやったらできるんじゃないかな?」と提案したところ、「できそう。」と答えてくれました。

その後、「じゃあ、今後は毎回それでやろう。」とは言いませんでしたが、その子は次の週から自主的に居残って宿題をやるようになりました。
最近の話なので、宿題をすべて完璧にやれるようになったわけではありませんが、今まで全く手つかずだった宿題が少しずつできるようになりました。

少しずつとはいえ、自分で行動を変えて成長しているその子の「過程」に注目して褒めたいと思います。
いつの日にかは「前までは宿題をやれなかったけど、今ではしっかり宿題をやれるようになったね。」と褒めたいです。